北口榛花の記録は67m38!日本記録やパリオリンピック・世界陸上、高校時代からの推移を解説

北口榛花選手は、2024年パリオリンピックの女子やり投げで金メダルを獲得した日本陸上界のトップアスリートです。世界選手権でも金メダルと銅メダルを獲得し、日本女子の投てき種目を世界トップレベルへ押し上げました。

北口榛花選手の記録は何メートルなのか、自己ベストとオリンピックの優勝記録は同じなのか、気になる人も多いでしょう。結論からいうと、自己ベストは67m38、パリオリンピックの優勝記録は65m80です。

この記事では、北口榛花選手の日本記録やパリオリンピック、東京オリンピック、世界陸上での成績を紹介します。高校時代からの記録推移や世界記録との差、2025年の故障を乗り越えて復調した2026年の成績まで、一つずつ詳しく見ていきます。

北口榛花の最高記録は67m38!日本記録を保持

北口榛花選手のやり投げにおける自己ベストは、2023年9月8日に記録した67m38です。日本陸上競技連盟が認定する女子やり投げの日本記録であり、2026年9月時点でも更新されていません。

「北口榛花の記録は何メートル?」という疑問への答えは、まず67m38と覚えておけばよいでしょう。ただし、オリンピックや世界陸上の優勝記録は大会によって異なります。

自己ベスト67m38はいつ記録した?

北口榛花選手が67m38を投げたのは、2023年9月8日にベルギー・ブリュッセルで開催されたダイヤモンドリーグです。当時の日本記録を更新し、女子やり投げの日本選手として初めて67m台へ到達しました。

この記録が生まれたのは、ブダペスト世界選手権で金メダルを獲得してから約2週間後です。世界選手権の優勝だけでシーズンを終えることなく、さらに自己ベストを伸ばしたところに、2023年の充実ぶりが表れています。

北口榛花選手は2019年に66m00を記録していましたが、2023年7月に67m04、同年9月に67m38まで日本記録を更新しました。60m台前半で世界と戦う選手から、安定して65m以上を狙える選手へ成長したことが分かります。

67m38は世界記録ではなく日本記録

北口榛花選手の67m38は日本記録ですが、世界記録ではありません。女子やり投げの世界記録は、チェコのバルボラ・シュポタコバさんが2008年9月13日に記録した72m28です。

北口榛花選手の自己ベストと世界記録の差は4m90あります。やり投げで約5mの差は小さくありませんが、北口榛花選手は「70m」を目標として公言してきました。

70mに到達するには、自己ベストを2m62更新する必要があります。2026年から男子やり投げの世界記録保持者ヤン・ゼレズニーさんの指導を受けており、新たなフォーム作りによってどこまで記録を伸ばせるかが注目されています。

北口榛花のプロフィール

項目内容補足
名前北口榛花きたぐち・はるか
生年月日1998年3月16日2026年9月時点で28歳
出身地北海道旭川市公式プロフィールでは北海道
国籍日本国際大会では日本代表
身長179cmJAL公式プロフィール
出身高校北海道旭川東高校高校から陸上を開始
出身大学日本大学スポーツ科学部
所属JAL2020年4月入社
専門種目女子やり投げ日本記録保持者
自己ベスト67m382023年の日本記録
オリンピック東京・パリパリ大会金メダル
趣味K-POP、韓国ドラマなどJAL公式プロフィール

北口榛花選手は北海道旭川市出身で、旭川東高校から日本大学へ進学しました。身長179cmという恵まれた体格に加え、長い手足としなやかなフォームを生かした投てきが持ち味です。

JALには2020年4月1日に入社し、アスリート社員として競技を続けています。JALの公式プロフィールでは、やり投げの魅力を「美しい放物線」と表現しており、力強さだけでなく、やりが描く軌道にも注目してほしいと語っています。

北口榛花のオリンピック記録は?パリ五輪で65m80

北口榛花選手は、東京2020オリンピックとパリ2024オリンピックに出場しています。東京大会では決勝12位でしたが、3年後のパリ大会では65m80を投げ、日本女子の投てき種目で初となるオリンピック金メダルを獲得しました。

オリンピックにおける北口榛花選手の記録は、東京大会が55m42、パリ大会が65m80です。わずか3年で、オリンピック決勝の記録を10m38も伸ばしています。

東京オリンピックは55m42で12位

2021年に行われた東京2020オリンピックで、北口榛花選手は初めて五輪の舞台に立ちました。予選を突破して決勝へ進みましたが、決勝の記録は55m42で12位でした。

北口榛花選手の2021年シーズンベストは62m06だったため、東京オリンピック決勝では本来の記録を出せなかったことになります。それでも、日本女子やり投げでは57年ぶりとなるオリンピック決勝進出を果たしました。

この時点では世界大会の決勝に残ること自体が大きな成果でした。しかし、東京大会の翌年から世界選手権のメダル、世界選手権優勝、オリンピック優勝へと一気に駆け上がっています。東京での12位は、後の飛躍を考えるうえで欠かせない記録といえるでしょう。

パリオリンピックは1投目の65m80で金メダル

2024年8月10日に行われたパリオリンピックの女子やり投げ決勝で、北口榛花選手は1投目に65m80を記録しました。この一投が最後まで抜かれず、金メダルを獲得しています。

決勝での投てきは、65m80、62m39、ファウル、61m68、64m73、ファウルでした。5投目にも64m73を投げており、優勝記録だけが偶然大きく伸びたわけではなく、決勝を通して高い水準を保っていたことが分かります。

2位のジョーアン・ファン・ダイク選手は63m93、3位のニコラ・オグロドニコバ選手は63m68でした。北口榛花選手は2位に1m87の差をつけています。

ブダペスト世界選手権では最終6投目の逆転で優勝しましたが、パリオリンピックでは最初の一投で主導権を握りました。最後まで諦めない逆転勝負だけでなく、序盤からライバルに重圧をかける戦い方もできることを示した大会です。

65m80はオリンピック記録ではない

北口榛花選手がパリオリンピックで投げた65m80は金メダルを獲得した記録ですが、女子やり投げのオリンピック記録ではありません。

オリンピック記録は、キューバのオスレイディス・メネンデスさんが2004年アテネ大会で記録した71m53です。北口榛花選手の65m80は、パリ大会の優勝記録であり、自己ベストの67m38とも異なります。

記録の種類距離大会・選手
北口榛花の自己ベスト67m382023年DLブリュッセル大会
北口榛花のパリ五輪記録65m802024年パリ五輪・金メダル
女子やり投げ五輪記録71m53メネンデス・2004年アテネ五輪
女子やり投げ世界記録72m28シュポタコバ・2008年

「北口榛花のオリンピック記録は67m38」と混同されることがありますが、67m38はダイヤモンドリーグで出した自己ベストです。パリオリンピックで実際に金メダルを決めた記録は65m80となります。

北口榛花の世界陸上記録|ブダペストで66m73の大逆転

北口榛花選手は、世界選手権でも日本女子陸上界の歴史を変えています。2022年オレゴン大会で銅メダルを獲得し、2023年ブダペスト大会では金メダルに輝きました。

一方、連覇を目指した2025年東京大会では、右肘の故障の影響もあり予選敗退となっています。世界陸上の記録を時系列で見ると、順調な上昇だけではなかったことも分かります。

2022年オレゴン世界陸上は63m27で銅メダル

2022年オレゴン世界選手権の女子やり投げ決勝で、北口榛花選手は63m27を記録して3位に入りました。世界選手権の女子やり投げで日本選手がメダルを獲得したのは初めてでした。

北口榛花選手は1投目に62m07を投げ、最終6投目で63m27まで記録を伸ばしています。4位の劉詩穎選手との差はわずか2cmでした。

最終投てきで最高記録を出し、ぎりぎりの差で表彰台を守った勝負強さが光ります。翌年のブダペスト世界選手権でも最終6投目に逆転しており、終盤まで集中力を切らさない北口榛花選手らしさが表れた大会でした。

2023年ブダペスト世界陸上は66m73で金メダル

2023年ブダペスト世界選手権では、北口榛花選手が最終6投目に66m73を投げ、大逆転で金メダルを獲得しました。決勝での記録は、61m78、61m99、63m00、62m36、62m68、66m73です。

5投目を終えた時点では4位で、メダル圏外でした。しかし、最後の一投でそれまでの自身の最高記録を4m以上伸ばし、一気に首位へ浮上しています。

優勝記録の66m73は自己ベストの67m38には届いていませんが、大会の順位を決める場面で出した価値の高い一投です。記録の大きさだけでなく、「いつ出した記録なのか」まで知ると、北口榛花選手の勝負強さがよく分かります。

2025年東京世界陸上は60m38で予選14位

2025年東京世界選手権では、1投目が60m31、2投目が60m38、3投目が58m80でした。最高記録60m38で全体14位となり、決勝へ進める12人に残ることができませんでした。

北口榛花選手は2025年6月末に右肘を痛め、8月後半に実戦復帰したばかりでした。予選通過ラインは60m98だったため、決勝進出までの差は60cmです。

地元開催の世界選手権で連覇を期待されていただけに、悔しさの残る結果となりました。ただし、2025年の記録だけで北口榛花選手の力が大きく落ちたと判断することはできません。故障によって十分な練習と試合経験を積めなかった背景も含めて見る必要があります。

北口榛花の高校時代からの記録推移

北口榛花選手は、小さい頃からやり投げ一筋だった選手ではありません。3歳から競泳、小学1年生からバドミントンに取り組み、高校進学後に陸上競技と出会いました。

旭川東高校の先生に誘われてやり投げを始め、競技開始からわずか2カ月ほどで北海道大会を優勝しています。高校2年生でインターハイ優勝、高校3年生だった2015年には世界ユース選手権を制しました。

高校時代は58m90まで記録を伸ばした

北口榛花選手が高校1年生だった2013年のシーズンベストは49m31でした。2014年は53m15、2015年には58m90まで記録を伸ばしています。

年年齢の目安シーズンベスト
2013年15歳49m31
2014年16歳53m15
2015年17歳58m90
2016年18歳61m38
2017年19歳61m07
2018年20歳60m48
2019年21歳66m00
2020年22歳63m45
2021年23歳62m06
2022年24歳65m68
2023年25歳67m38
2024年26歳66m13
2025年27歳64m63
2026年28歳64m90※

※2026年8月21日のローザンヌ大会終了時点。

日本大学へ進学した2016年には61m38を投げ、初めて60m台へ到達しました。2017年と2018年は記録が大きく伸びませんでしたが、2019年に66m00を記録して一気に世界トップレベルへ近づいています。

記録推移を見ると、北口榛花選手は毎年一直線に自己ベストを更新したわけではありません。伸び悩む時期を経験しながら、練習環境や投てき技術を変え、長い時間をかけて67m台へ到達しています。

世界ユースの60m35は500gのやりによる記録

2015年の世界ユース選手権では、北口榛花選手が60m35を記録して金メダルを獲得しました。ただし、この大会では一般女子の600gより軽い500gのやりが使用されています。

そのため、世界ユースの60m35と、高校時代のシーズンベスト58m90を単純に比較することはできません。使用するやりの重さが異なるからです。

世界ユース決勝では、1投目に56m42、5投目に60m35を記録しました。高校からやり投げを始めて約2年で世界大会を制したことからも、競技への高い適性があったことがうかがえます。

2019年のチェコ留学が大きな転機

北口榛花選手は日本大学在学中の2019年からチェコへ渡り、ディヴィッド・セケラックコーチの指導を受けました。北口榛花選手自身が海外の選手へ連絡を取り、指導者を紹介してもらったことがきっかけです。

チェコで学んだ助走や投てき技術がかみ合い、2019年にはシーズンベストを前年の60m48から66m00まで伸ばしました。自分から海外の練習環境へ飛び込んだ行動が、世界選手権とオリンピックの金メダルにつながる大きな転機になっています。

セケラックコーチとの7年間では、2022年世界選手権銅メダル、2023年世界選手権優勝、2024年パリオリンピック優勝、ダイヤモンドリーグ・ファイナル2連覇などを達成しました。記録の伸びだけでなく、大舞台で結果を残せる選手へ成長した期間でもあります。

北口榛花の2026年の記録と現在

2025年に右肘の故障で苦しんだ北口榛花選手は、2026年からヤン・ゼレズニーコーチの指導を受けています。ゼレズニーコーチは98m48の男子やり投げ世界記録保持者で、オリンピックを3度制した人物です。

長年築いてきた投てき動作にも変更を加えているため、2026年シーズンは新しい技術を試合で形にする期間でもあります。シーズン序盤は60m前後の試合が続きましたが、夏に入って記録を伸ばしました。

日本選手権は62m86で5度目の優勝

2026年6月12日の日本選手権では、北口榛花選手が5投目に62m86を記録して優勝しました。日本選手権では2年ぶり5度目の優勝となり、愛知・名古屋アジア大会の日本代表にも内定しています。

北口榛花選手は試合後、62m86は本来なら満足できる記録ではないとしながらも、故障の痛みがない状態で結果を残せたことに安堵を示しました。新しい投てき動作に取り組むなかで、「もっと投げられる」と感じられた試合だったと語っています。

自己ベストより4m52短い記録ですが、故障からの回復と勝負勘の復活を示す優勝でした。記録だけを見るより、2025年からの流れを踏まえたほうが62m86の意味が伝わります。

ローザンヌで64m90を投げてDL通算11勝目

2026年はローザンヌ大会で64m90を投げて優勝し、DL通算11勝目を達成。さらに9月5日のブリュッセルDLファイナルでは65m44のシーズンベストを記録して2位に入った。

北口榛花選手にとってダイヤモンドリーグでは約1年2カ月ぶり、通算11勝目となりました。2026年のダイヤモンドリーグでは廈門大会7位、パリ大会3位、モナコ大会9位と苦戦していましたが、ローザンヌで復調を印象づけています。

64m90は自己ベストの67m38に2m48届きません。それでも、2025年の故障と2026年のフォーム変更を経て、再び65mに迫ったことは大きな前進です。

70m到達とロサンゼルス五輪連覇が目標

北口榛花選手は、今後の目標として70m到達を掲げています。2026年シーズン初戦後にも、70mを投げることが目標であり、そのために変化が必要な時期だと話していました。

2026年9月4日から5日には、ベルギー・ブリュッセルでダイヤモンドリーグ・ファイナルが開催されます。ローザンヌ大会の優勝によって進出を決めており、2023年、2024年に続く3度目の年間王者がかかります。

さらに、2026年秋には愛知・名古屋アジア大会への出場が予定されています。その先には2028年ロサンゼルスオリンピックがあり、北口榛花選手は五輪連覇を目指して競技を続けています。

自己ベスト67m38という数字は、北口榛花選手にとって完成形ではありません。世界選手権とオリンピックを制したあとも指導者を変更し、新しい技術へ挑戦しているところに、さらに遠くへ投げたいという強い思いが表れています。

北口榛花の記録に関するまとめ

  • 北口榛花選手は北海道旭川市出身の女子やり投げ選手
  • 2026年9月時点の所属はJALで、身長は179cm
  • 自己ベストは2023年9月8日に記録した67m38
  • 67m38は女子やり投げの日本記録
  • 女子やり投げの世界記録はシュポタコバさんの72m28
  • 東京オリンピックは55m42で決勝12位
  • パリオリンピックは1投目の65m80で金メダル
  • 2022年オレゴン世界陸上は63m27で銅メダル
  • 2023年ブダペスト世界陸上は最終投てきの66m73で金メダル
  • 2025年東京世界陸上は60m38で予選14位
  • 高校時代のシーズンベストは58m90
  • 2026年はローザンヌ大会で64m90を投げ、DL通算11勝目を挙げた

北口榛花選手の記録で最も重要な数字は、日本記録である67m38です。しかし、最終6投目で逆転した世界選手権の66m73や、最初の一投で金メダルを決めたパリオリンピックの65m80にも、それぞれ違った価値があります。次に注目したいのは、目標に掲げる70mへどこまで近づけるかです。

参考・出典

日本陸上競技連盟「北口榛花 選手プロフィール」

日本陸上競技連盟「日本記録」

World Athletics「ブダペスト2023世界陸上 北口榛花が66m73で金メダル」

日本陸上競技連盟「東京2025世界陸上 リザルト」

World Athletics「Athletissima Lausanne 2026 Results」